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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)475 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は、原審の挙証責任分配の原則の適用を非難するけれども、記録によると、

上告人は、被上告人主張の売買契約がその目的物件である係争の家屋二戸全部を上

告人において居住使用する目的であつたとし、従つてそのうち一戸に当時居住して

居た第三者を退去せしめるにつき所論特約を被上告人と締結したと主張し、これに

基いて双方の債務が同時履行の関係に在るものとし、被上告人側におけるその不履

行を被上告人主張の契約解除の効力否定の一事由と為して居るのであり、被上告人

は右事実を否定したことが看取し得られるのであつて、右契約解除の効力判定に要

する右目的、特約の存在事実を否定されることは上告人に不利益であることが明ら

かであるから、原審が右点につき上告人に立証責任ありと解したのは相当であり、

所論違法ありと為し難く論旨は理由がない。

論旨は理由齟齬、民法一条二項の適用をも云うけれども、原審の所論事実認定相

互の間に必ずしも矛盾がありその判断と牴触するものと解しなければならないわけ

のものではなく、また原審認定の事実関係のもとにおいては被上告人の権利行使を

信義則に違背するものと為し難く、その契約解除を有効とした原審の判断を肯認し

得られるから、所論はこれを採ることができない。

その余の論旨は、結局原審の事実認定を単に非難するに帰着し、上告適法の理由

にあたらない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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